🌷私が一番後悔したこと|ダイエットのせいでおばあちゃんの料理が食べられなかった

おばあちゃんと孫が食卓を囲むシーン。ダイエットで食べられなかった過去を思い出す女性の心情を描いたイラスト。 メンタル
ダイエットのせいで失った“食べる幸せ”を思い出して

「食べること」が怖かった時期があります。
思春期の私は、周りの女の子たちが「ダイエットしてる」と話すのを聞いて、自分も細くなりたいと思いました。
中学生のころ、母子家庭で、いつもご飯を作ってくれていたのはおばあちゃん。優しくて、いつも台所に立っていたその背中を、今でも鮮明に覚えています。

けれど、あの頃の私は“痩せること”しか考えられませんでした。
朝は具なしの味噌汁1杯。お昼は給食があっても牛乳しか飲めず、夕飯も味噌汁と3口ほどのご飯で終わり。
今思えば、どうして生きていられたのか不思議なくらいの摂取量でした。

おばあちゃんは、そんな私を心配して、少しでも食べられるものを探してくれていました。
「これなら食べられる?」
「好きだったじゃない?」
そう言っては、いろんな食材を買ってきてくれました。
それでも私は首を横に振るばかり。

今でも、あの時のおばあちゃんの表情を思い出すと胸が痛くなります。
食卓には家族のために作られた温かい料理が並んでいたのに、私はそれを前にして箸を持てませんでした。

本当は、おばあちゃんと一緒にご飯を食べる時間こそが、一番大切だったのに。
「食べる」ということは、栄養を摂るだけでなく、“心をつなぐ行為”だったんです。
そのことに気づいたのは、ずっと後になってから。

おばあちゃんの手料理をもう一度食べたい。
そう思っても、もう叶わない。
「食べておけばよかった」「一緒に笑ってご飯を食べたかった」
その後悔は、今でも心の奥に残っています。

私は幼いころから食事とうまく付き合えませんでした。
幼稚園では肥満児検査に引っかかり、小学生の頃もぽっちゃり体型。
自分の体型が嫌いで、痩せることばかりを考えていた私にとって、食事は“敵”でした。

でも今なら分かります。
誰かと食卓を囲めることこそが、どれほど尊いことか。
家族で「おいしいね」と笑い合える時間が、どれだけ幸せなことか。
あの時、私は“食べる幸せ”を手放してしまったんです。

食事制限やダイエットは、目的を見失うと心をも蝕みます。
健康的に痩せることと、食を拒むことはまったく違う。
本来の「食べることの喜び」を忘れないでほしい——
これが、過去の私から今のあなたへ伝えたいメッセージです。

もし今、ダイエットで食事を制限している人がいたら、
どうか思い出してください。
食卓の向こうには、あなたを想って料理を作ってくれる人がいることを。
一緒に食べてくれる人がいることを。

“食べること”は、自分を大切にすること。
そして、誰かと心を分かち合うこと。
食べられなかったあの時間を後悔しているからこそ、
今こうして食事を楽しく、美味しく食べられることが
決して当たり前ではないのだと気づきました。

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